リバーズ・エッジ


今日のマンガ紹介は「リバーズ・エッジ」です。

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○作者 岡崎京子
○出版社 宝島社
○掲載誌 CUTiE
○発表期間 1989年~
○巻数 全1巻




■あらすじ

河口にほど近く、広く、ゆっくりと澱む河。セイタカアワダチソウが茂るその河原で、いじめられっこの山田は、腐りゆく死体を発見する。「自分が生きてるのか死んでるのかいつもわからないでいるけど/この死体をみると勇気が出るんだ」。
それぞれに重い状況を抱えた高校生たちがからみ合いながら物語は進行する。

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~ジャンル分類~ 
欲望日常劇モヤモヤ漫画
~要素方程式~ 
[欲望]×[河口]×[死体]=[実感]×[哲学]


岡崎京子の代表作と言われる作品「リバーズ・エッジ」。

話の本筋は、工場地帯の河口近くの高校が舞台の
高校生数人の日常的ストーリーです。ほんとそんな感じ。

物語は、いじめられっこの山田君が若草ハルナに河原の死体を見せることで動き出す。

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「補足」:山田が若草ハルナに河原の死体を見せる場面。物語の中核場面である。

非常に退廃的な雰囲気を持つ作品で、見ていて良い気持ちにはならない。
だけど、絶対に誰しも感じたこと、または考えないようにしてきたことが
この作品では直接的に描かれていく。非常にインパクトがある作品だと思う。

~見所ポイント~

①欲望のままに

この作品の一番の見どころは「欲望」だ。
これは岡崎京子さんの作品の一貫したテーマなんじゃないかと思う。

この作品で登場する人物は、明らかに常軌を逸しているところがある。
それは「欲望」のままに動き、その部分しかピックアップされていないからだ。

唯一この作品中、若草ハルナは「欲望」から離れた存在だけど

ハルナの彼氏の観音崎君は支配欲、性欲に溺れているし、

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「補足」:不安でパニックに陥り、ハルナにセックスを強要する観音崎。


山田君を好きな田嶋カンナは、自己中心的な感情しか持てず壊れていくし

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「補足」:振り向いてくれない山田君に、少しずつおかしくなり出す田嶋。顔怖いw

とにもかくにも「欲望」そのものしか持たない登場キャラにまず圧倒される。


しかしこの作品が面白いのは、それと対照的な「無欲」に近い登場キャラが
出てくることによって、ものすごくごちゃごちゃになってくるところにある。

ここで言う無欲なキャラとはいじめられっこの山田とモデルの吉川こずえ。

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「補足」:死体を通じて知り合った山田と吉川こずえ。作品内では無欲な二人である。

共に、河原での死体の存在を知っている二人だ。死体が宝物の二人だ。

②欲望、世の中、矛盾、実感

いじめられっこの山田君は、作品中にこうつぶやく。

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自分が生きているのか死んでいるのか
いつもわからないでいるけど、この死体をみると勇気が出るんだ


山田は現実世界に興味を持たない。
というより「実感」がないのかもしれない。

その中で山田は「死体」には実感を感じるのだという。
それはおそらく「死体」には「欲望」がないからだろう。


山田が現実世界に興味を持たないのは、
そういう「欲望」を恐れている、または嫌っているからなのかもしれない。


一方吉川こずえは、この「死体」を見た感想を「ザマアミロ」とつぶやく。

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「補足」:死体を見たときの感想をハルナに聞かれ、それに答える吉川。

吉川こずえもまた、現実世界に興味がないのだろう。


この作品中に出てくる「死体」は、
まさに「欲望」と「無欲」でも何物でもないというか、

この作品のテーマを象徴する絶対的存在で、
各キャラがこの「死体」を見て「どう思ったか」が重要な部分なんだと思う。

③わかりやすい構図

欲望のままにその身を滅ぼす「観音崎」と「田嶋カンナ
欲望に振り回されず、淡々と佇む「山田」と「吉川こずえ

その狭間にいて「わからない」と悩む「若草ハルナ」と
何も話さない、何の欲望もない、何物でもない「河原にある死体」と

こんな構図が、読んでいて読者を混乱させて、不思議な読後感を残す。
そんな部分に注目すると、非常に力を持った作品だと感じると思います。


~注意点~

①欲望のままに

読後感はさすがに気持ち悪いですね。

こういった「欲望」だとか「生きる理由」とか、
漠然と何か恐怖を感じたことのある人にとってはものすごく影響のある作品だし、
何も考えず淡々と読んでいけば、ただの気持ち悪いストーリーで幕を閉じてしまうし。

自分はまさに前者なので、ものすごく影響を受けましたが。

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「リバーズ・エッジ」を一言で言うならば

「あなたは死体を見て何を思う?」

このテーマに関してならこの作品の右に出るものはないんじゃないだろうか。

物語中盤、水族館で魚が水槽で泳ぐ姿に矛盾を感じる山田君。
前回紹介した同作者作品の「pink」でもあるような、
漠然とした世の中への疑問・恐怖のようなものを感じるシーンだった。

また今回の作品では、「無欲」である「山田」と「吉川こずえ」は
身を滅ぼさない優位な立場ではあったが、果たしてあれはあれで「幸せ」なんだろうか。

物語終盤に、新しい死体を見つけた時の二人の
あの何とも言えない顔が、今でも忘れられない。

「欲望」「無欲」「世の中の矛盾」。

何が正解、何が不正解、よくわからないし答えなんてものはないのだけれど、
河原にある死体は唯一この作品内で絶対的な存在だったことは確かだ。


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個人的好み度 91%
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      {100%} ・・・・・ マンガ作品の限界到達点。魂揺さぶる頂点。     
   {99~90%} ・・・・・ 想像を超えた衝撃を受けた。作者に尊敬の念。
   {89~80%} ・・・・・ 想像の範囲内で大好きです。感謝しています。  
   {79~70%} ・・・・・ 好きでもう1回読みたいと思える。オススメできる。  
   {69~60%} ・・・・・ 好きだけどもう1回は・・と感じる。なかなか好き。   
   {59~50%} ・・・・・ そこそこ楽しめたと言えると思う。普通に楽しめた。
   {49~40%} ・・・・・ 読んでいてある程度魅力を感じた。悪くはない。     
   {39~30%} ・・・・・ 普通。可もなく不可もなく。特に言うこともなく。
   {29~20%} ・・・・・ ちょっとだけは魅力を感じた。正直好きではない。   
   {19~10%} ・・・・・ 嫌悪感のようなものを感じた。イライラしてくる。
   {09~00%} ・・・・・ マンガ作品の限界最下層。魂揺さぶる底辺。        
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by anagogogogo | 2010-08-14 15:35 | ■ マンガ紹介 | Comments(0)

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