HELLO WORLD(映画)感想
2019年 09月 21日
最近アニメ・漫画関連の映画を見まくってます。
一体漫画はいつ紹介できるのだろうか・・と。すみません。
本日は「HELLO WORLD」の感想です。
完全にネタバレしておりますのでご注意ください。

話はSFもので説明すればするほど難解なので軽く話すと・・
主人公の堅書(カタガキ)君はある日未来から来た自分に出会い
3か月後に恋人になると告げられた一行(イチギョウ)さんとの
距離を詰めるような行動を未来の自分の指令によって動くことになる。
そして一行さんは恋人になってすぐの花火大会の落雷事故で
死んでしまうことを未来の自分から告げられ、過去の改変を試みる。
簡単に話すとこんな物語で(ロジックはこの先たくさんありますが)
わかりやすく言えば「君の名は。」と似ているスタートを切ります。
ただし・・
面白い設定なのは、現実と思っていた堅書君の世界は
量子コンピューターで、場所や記憶までも際限無く記録された
「スーパーデータ」の記録のなかの世界であること。
(この事実にすぐに納得する堅書君には少し違和感ありましたが笑)
堅書君(データ)⇔未来の自分(現実)
つまりはよくあるタイムパラドクス(現実の改変)ではなく
データ(偽物)の改変という、不思議な設定にあります。
ここだけ読むと、なんでデータの改変すんの?と不思議に思いますが笑
まあそれは一応理由が少しずつわかってくるので、今回は省きます(汗)。
さて、ここまでいくとあとは、SFもののロジックが
面白いのか、深いのか・・など語ろうかと思ったんですが
本作品キャッチコピーでもある「ラスト1秒でひっくり返る」という
この部分はあえて伏せておこうと思ったんで別の感想を。
結論から言うと「大切なものが欠けている」という感想でした。
それは「ヒロインの扱い」です。
SFものの「発想」だとか「展開」だとか「深さ」だとかは
正直人それぞれ好みや、良くも悪くも考察すれば色々議論はあると思います。
ただひとつの「映画」としてみたときに
どんなに優れたロジックがあったとしても
やはり登場人物への「感情移入」が無いとすべては台無しに。
その点でいうと本作品のなかで特に残念なのは
①そもそもデータ(偽物)の改変の物語
→主人公の堅書君を応援する盛り上がりに繋がらない
②一行さんとの恋愛場面の少なさや、後半の置いてきぼり感
→一行さんの思考や気持ちが描かれるシーンが皆無
特に②は感じました。
キャラに魅力はあるのに、一行さんの心情シーンの少なさと
何より後半の一行さんの置いてきぼり感は、半端なかったです笑。
そこはやはりどんなに優れたSFロジックを描いたとしても
物語の根本が「好きな女の子を救いたい」という気持ちならば
好きな女の子の魅力や、思いを強める土台を作ってほしかったと思います。
「SF」「青春」「テクノロジー」「セカイ系」「バトル」など
ある意味ではどこかで見たことのある展開の詰め合わせに感じて
複雑さと感情移入のしにくさが目立つアニメ映画だったなと感じます。
青春もの×タイムパラドクス
まさに「君の名は。」がこの組み合わせでは
複雑すぎず・・感動への土台作りなど、優れているなぁと改めて思う。
青春ものはもうちょっとシンプルでいいなぁと思います。
最後のシーンは・・確かにいろんな意味で「ひっくり返る」でしたが
本当に「ひっくり返る」ので、映画特有のエンドロールの「余韻」が
まったくない、ちょっと不思議な感覚を得ることができます笑。
気になる方は映画館に足を運んでみてください♪それでは。