おやすみプンプン

今日の漫画紹介は「おやすみプンプン」です。 

e0131985_033918.jpg

 

 
○作者 浅野いにお 
○出版社 小学館 
○掲載誌 ヤングサンデー ビッグコミックスピリッツ 
○発表期間 2007-2013 
○巻数 全13巻




■あらすじ
どこにでもありそうな或る街に住んでいる、
どこにでもいそうな或る少年。彼の名前は…「プンプン」。
これは、「フツーの」小学5年生・プンプンの、波瀾万丈の人生をおった、成長の物語―― 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
~ジャンル分類~ 
プンプンの日常漫画 
~要素方程式~ 
[プンプン]×[愛子ちゃん]
=[狂気]×[陰鬱]×[愛]
 
 
基本的に小学校5年生プンプンの日常劇や恋愛劇が
面白おかしく描かれる内容なのですが・・・・
ひとつだけ、本当にひとつだけ、普通の漫画と違うところがある。

コミック内のページを見てもらえばわかります。

e0131985_18513948.jpg

「補足」:保健室で目を覚ますと、愛子ちゃんがいて呆然とするプンプン。

コミック下の、女の子と一緒に寝ている落書きはなんだろう・・・。
宇宙人?ヒヨコ?キャラクター?ぬいぐるみ?幻想? 
 
実はこいつこそ「プンプン」。そして正真正銘、小学校5年生の男の子だ。 
 
おやすみプンプン」では、
この落書きのようなキャラクターが、日常の風景に入り込んでいる。
またこのプンプンのすがたには誰もツッコミやしない。
見ている読者だけが、プンプンの姿に見えているだけだから。 
 
つまりは、日常+非日常のような構図で、
物語が進んでいく(プンプンの家族も全部この表現)。 
 
こういった、作者浅野いにおの漫画表現、
文学センス・シュールがプラスαされていって、
とんでもない世界観の作品になっている。

でも根本は、若者が抱くモヤモヤ感がテーマです。
プンプンが何を思って、どんな行動に出てくるのか
そういうところを見守りながら、楽しんでみてください。

~見所ポイント~
 
①日常+非日常の独特な世界観 
 
一見、あの容姿のプンプンが普通に漫画内にいるように、
はっちゃけた内容なのに、それを浅野いにおセンスで補っているので、
はっちゃけているのか、はたまた真剣なのか、もう読んでいてわからなくなってくる。

e0131985_18435465.jpg

e0131985_1843463.jpg

「補足」:プンプン決死の告白後のシーン。ここはなんか好きなシーンだ・・。 
 
読書紹介でもよく紹介する「伊坂幸太郎」は、コミックの帯に
メインストリームでいくのか、前衛的に行くのか悩んだ結果、
前衛的でありながらも、王道を駆け抜けるような、すごいことをしようとしている気がします

と発言していた。 
 
まさにそう。この「おやすみプンプン」は、
漫画の枠をぐっと広げようとしている・・。何よりプンプンがかわいい笑。

②卓越した画力と、リアルな描写

この作品で、作者「浅野いにお」の
画力・表情・背景・構成etc・・
もう漫画表現においては
完成したと言ってもいいんじゃないだろうか。

むしろ、まだまだ進化しそうな勢いさえ感じる。

e0131985_18521151.jpg

「補足」:CG技術で描く背景や描写はすごい。見ていて引き込まれます。

③光と闇

作者「浅野いにお」の魅力である
モヤモヤ感の演出に惹かれます。
テーマの根本は、プンプンが大人になる軌跡です。

プンプンの舞台は、小学校、中学校と進み
すごくオーソドックスな恋愛模様が描かれるが
これまた普通なはずなんだけどね、
どこかグサっとくるシーンが度々やってきます。

また、プンプンの親戚である雄一おじさんのストーリーでは
少し恐ろしい展開になっていくので、怖いです。狂気的。

e0131985_185230100.jpg

「補足」:自殺できなかった雄一おじさんが、壊れていくシーン。ちょっと怖いな・・。

一見ほのぼのとした作風を描く作品ですが
時折見せる、人間の狂気的な一面の描写は
ちょっと恐ろしいので、注意です。

④かつてない漫画表現

もう「プンプン」が日常にいる時点ですごいですが、
この作品内には、度々見たこともない表現が登場する。

e0131985_18524781.jpg

「補足」:愛子ちゃんの気持ちを知って、思わず目から何か飛び出すプンプン笑。

作者独特のコラージュ表現なども魅力で
不思議な世界観に酔いしれること間違いなし!!

もう何でもあり。面白ければよし!!

~注意点~
 
①漫画としての・・・

実はプンプンという表現以外は
本当に普通の日常が描かれていくので
劇的なストーリーではありません。

それを「プンプンがいるだけじゃん」と
作者のアイデアを嫌うようだと、好きになれないかも。

ただ、浅野いにおの現実描写は
少なくとも見所はあるはず。自分はすごく好きだ。

小学校の友達の発言とか対応とか
エロ本をみんなで囲う男子とか、女子にみつかってしまうとか
もうなんだろう、あのときの「リアル」感は抜群だと思う。

もちろんモヤモヤ感も。プンプンはどんどん成長していく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おやすみプンプン」を一言で言うならば

[漫画界を揺るがすプンプン]

正直、こんな漫画があったとは驚きでした。
間違いなく漫画界をかき回してくれる作品です。

面白い・面白くない以前に、
必ず心に残ってしまう。強烈な作品なんです。

もう面白くなくても読んでくれ!笑。

そして何より、作者「浅野いにお」さんが
すごいんだから。全作品も面白くなるはずだ。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
個人的好み度 93%
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  {100%}マンガ作品の限界到達点。頂点
{99~90%}想像超えた衝撃を受けた。尊敬
{89~80%}想像範囲内で大好きです。感謝
{79~70%}好きでもう1回読みたい。推薦
{69~60%}好きだけどもう1回は・・。好き
{59~50%}そこそこ楽しめたと言える。良し
{49~40%}読んで少し魅力を感じた。普通
{39~30%}普通。可もなく不可もなく。無言
{29~20%}読み進めるのが辛かった。微妙
{19~10%}嫌悪感に近い感覚がある。落胆
{09~00%}マンガ作品の限界最下層。底辺
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
にほんブログ村 漫画ブログ コミックス感想へにほんブログ村 漫画ブログ コミックス感想へにほんブログ村 漫画ブログ コミックス感想へ
↑ブログランキングに参加しています。押していただけると嬉しいです!
 
★マンガ紹介作品一覧に戻る★
Commented by mck at 2010-03-23 00:10 x
虹ヶ原ホログラフ解説で検索してたどり着きました!


おやすみプンプン大好きです!
個人的にはしみちゃんの今後の展開が気になってます。。。


自分が好きなマイナー漫画も解説してあったので嬉しかったです☆
ゆっくり拝見させていただきます!!
失礼しました~
Commented by anagogogogo at 2010-03-25 01:28
mckさんへ

コメントありがとうございます。最近「虹ヶ原ホログラフ」での検索で来てくださる方が多くて驚いています。

おやすみプンプン大好きですか!自分もプンプンには心動かされています。

しみちゃんはどうですかね~。おそらくこの作品自体あと2~3巻で終わると予想しているんですが、今後はサブキャラはあまり登場しないのではないかと思っています。確かに気になりますけど・・。

現在はあまり漫画紹介が進んでいない状況ですが、ゆっくり拝見して頂けたら、嬉しく思います。ありがとうございます。
Commented by なち at 2013-07-15 00:25 x
プンプンのあの表現は70年代に流行ったサイケムーブメントを下敷きにしていると思います。
ビートルズのルーシーインザスカイウィズダイヤモンドを見ていただけると納得出来ると思いますよ!
Commented by anagogogogo at 2013-07-17 23:19
なちさんへ

コメントありがとうございます!
サイケムーブメントですかぁ。
世代でないのでわかるようなわからないような。
今度参考にしてみたいと思います!

でも浅野いにおさんだけでなく、漫画家だけでなく、何かを表現する方は、やはりどこか影響を受けた事が、どこかに浮き出てきているような感覚を見つけた時は、嬉しくなります♪

プンプンもいよいよ終盤ですね。また一つ大好きな作品とお別れか。
Commented by わんこ at 2015-05-26 14:51 x
ブログ主さんの面白いと思わなくていいから読んでくれには笑いました
先日全巻読みましたが非常に心を揺さぶる作品でした
漫画を読みすぎて惰性で漫画を読んでいた僕にとってはあまりにも衝撃的な作品でした

この本の中で最もすごいと思ったのは主人公が恋愛や罪悪感の気持ちが混ざり合ってそれが尾を引き執念の気持ちになっていることで、これはどんな人にでもありそうな事なのに漫画でこういう表現は見たことなかったので浅野いにおという人は知名度以上に相当すごい人だと感じました

ブログ主さんの紹介している漫画は面白そうなのでちょくちょくブログこれからチェックしていただきます
感想読ませていただきありがとうございました
Commented by anagogogogo at 2015-05-27 04:00
わんこさんへ

おやすみプンプン。なかなか強烈な部分をえぐってくるようなパンチのある作品ですよね。

「人の負の思考回路」をずっと覗いているように10巻以上も読者に叩きつける作品ってのも、確かに珍しい作品なのかなと思います。

それでも最後にプンプンが選んだ道は「不幸になろうとして、人を巻き込み傷つけて、それでも自分は生きながらえ、幸せになろうとする」という・・・

まさに人間の善と悪の本質を考えさせる読み心地でした。

最後のプンプンの泣きながら手を振るあの顔が、「笑顔」なのか「泣き顔」なのか「別の顔」なのか・・・

そこをどう感じたかが、読者それぞれが感じる、この作品の結末なんだと私は思います。

私は・・・

考えることをやめた「諦め」とも取れる、「人間の弱さ」と、
それでも希望にすがって「幸せ」になろうとする「人間の醜さ」と、
自分の身の周りの環境に対する純粋な「感謝」をする「人間の良さ」

3分の2の悪と、3分の1の善が入り混じった「笑顔」に見えました。
by anagogogogo | 2008-10-30 04:14 | ■ マンガ紹介 | Comments(6)

管理人アナゴのマンガ紹介


by anagogogogo
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30