第2回・・「浅野いにお」
2009年 01月 24日
第2回目のマンガ家紹介は、「浅野いにお」さんです。

叙情的な描写と、リアルすぎるストーリー設定はとても魅力。
若手の次世代漫画家と騒がれている彼の作品は、確かに新しい。
つ~かこんな顔だったのか・・・。少しイメージと違うな・・・。
■経歴概略 ※主にwikipediaより引用
●17歳のときつげ義春の『ねじ式』に出会ったことが漫画家を志すきっかけになった
●ペンネームの「いにお」は、手元にあった保険証の記号からとったもの。
●デビュー前の一時期は高橋しんのアシスタントをしていた
●2000年、「ビッグコミックスピリッツ増刊Manpuku!」(小学館)掲載の読みきり作品『普通の日』でデビュー
●2001年、「月刊サンデーGENE-X」(小学館)による第1回GX新人賞に『宇宙からコンニチハ』で入選、同誌6月号に掲載され、作家活動のスタートを切る
●現在、漫画家として活躍中。作品の一つ『ソラニン』は映画化が決定している
■作品リスト ※wikipediaより引用
■「素晴らしい世界」(2002年 - 2004年、サンデーGX) 紹介完了
■「ひかりのまち」(2004年 - 2005年、サンデーGX) 紹介完了
■「虹ヶ原ホログラフ」(2003年 - 2005年、QuickJapan) 紹介完了
■「ソラニン」(2005年 - 2006年、ヤングサンデー) 紹介完了
■日曜、午後、六時半。(2006年、ビッグコミックスピリッツ) 未読
■「おやすみプンプン」(2007年、ヤングサンデー→ビッグコミックスピリッツ) 紹介完了
■おざなり君(2008 - 2011年、CUT、ロッキング・オン) 既読 未紹介
■「うみべの女の子」2009年 - 2013年、マンガ・エロティクス・エフ、太田出版() 紹介完了
■普通の日(2000年、ビッグコミックスピリッツ増刊Manpuku!、小学館) 未読
■卒業式地獄(2000年、ビッグコミックスピリッツ1/20増刊Manpuku!、小学館) 未読
■宇宙からコンニチハ(2001年、サンデーGX、小学館) 未読
■脱兎さん(2001年、サンデーGX) 未読
■アルファルファ(2005年、サンデーGX) 既読 未紹介
■超妄想A子の日常と憂鬱(2006年、サンデーGX、小学館) 既読 未紹介
■夜明け前(2007年、ビッグコミックスピリッツcasual、小学館) 既読 未紹介
■東京(2008年、ビッグコミックスピリッツ第40号、小学館) 既読 未紹介
■ひまわり(2010年、月刊!スピリッツ第5号、小学館)※2
■はるよこい(2010年、ビッグコミックスピリッツ第17号、小学館)※2 - 『ソラニン』の外伝。
■としのせ(2012年、月刊ビッグガンガン2013年Vol.01、スクウェア・エニックス)
■画力・画風
まず印象的なのは画風、表情の描き方が上手いこと。



「補足」:「ソラニン」より引用。
どうにもこの表情にやられてしまいます。
やっぱり表情が上手く描けるってことは、
単純にツールという手段において伝わりやすくなるだろうし
こっちも感情移入しやすくなる。
そして画力、特に背景に関しては、普通に上手い!

「補足」:「おやすみプンプン」より引用。
完全な日常風景を描く浅野いにおさんの画は、実際に写真で撮った風景を参考にしたり
CG技術を駆使して描いていることで、ものすごく「リアル描写」。
こういう何気ない部屋のカットひとつを見てもわかるとおり
超現実的な描写には、ただただ圧倒されます。
■漫画哲学
浅野いにおさんの漫画哲学は
■叙情的な描写
■超現実的描写
この二つかもしれない。
叙情的な描写というのは、いわゆる「モヤモヤ感」というべきか
どこか切ない、そんな切り口の作品がほとんで、作風として固まっている。
なので、「ハッピー」とか「感動」とか
そういう類の作風ではなく、なんともグレーな読みごたえがあるんです。
「世界はこんなにも汚い」と作品が始まって
「でも捨てたもんじゃないぜ」と終わらせるような
なんとも不思議な、不安定な作風です。
超現実的描写というのは、リアル感です。
日常の切り取り方というか、登場人物たちの会話とか
ものすんごく現実的で、時には目を覆いたくなる真理も平然と。
もちろん画の精密さも、この現実的描写に魅力を足しています。
■まとめ
「浅野いにお」さんの初期作品を読んだ最初の感想は
「とりあえず明日も生きるしかないわな」でした笑。
まずはどこかグレーな、いや退廃的に物語はスタートし、
現実的描写を物語、画風含めて読者を引き込んでいきます。
それで読み終わってみると、「良い答え」というものは決して描かれてなくて、
かといって、そんなに「悪い答え」を押し付けられた感じもしない・・。
直感的に言うならば「ぼーっと」します笑。
そういう限りなくグレーな部分、モヤモヤっとした生ぬるい部分を
非常に現実的描写の精密な土台を使って伝えてくる。そんな感じ。
一度読んでみることをオススメします。何かしら衝撃を受けると思います。
次世代作家と言われる「浅野いにお」さん。かなり注目の漫画家さんです。



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